ハムケツという言葉があるほど、ハムスターのお尻ってかわいくて魅惑的ですよね。
ハムスター好きなら、お尻が最も好きなパーツだ!という人もかなり多いかと思います。
ですが、このプリっとした可愛いお尻が汚れていたりするのは残念ですし、心配になると思います。
今回はお尻が汚れている状態から、その理由、原因などをみていくことにしましょう。
もくじ
お尻が濡れている
お尻の状態は尻尾も含めて、いつもフワフワの毛で覆われているのが正常の状態です。
オスの場合は睾丸部分が大人になると大きくなってくるため、そこにフワフワの毛はありません。
性別問わず、生殖器からの疾患でお尻に影響を及ぼす場合もあります。
ですからお尻が濡れている、尻尾が濡れているという状態は濡れている範囲にもよりますが、良いとは言えません。
命にかかわることもありますので、軽視しないようにしてください。
トイレを使わない
ハムスターはケージの中で、自分が決めたところでトイレとして尿をします。
個体差はありますが、ペットとして飼われていて、トイレを教えれば、ほとんどの子がオシッコはトイレでするようになります。
ですが、どうしてもトイレを使わない子もいます。
トイレを使わない子が、水分を吸収しやすい床材の上でしている場合は、お尻が濡れにくいです。
しかし、あまり決まった場所でもなく、水分をはじくタイルの上でしたり、トイレットペーパーの芯の中でしてしまったり、回し車で走りながらしている子もいます。
飼主としては、毎日の掃除が楽とは言えませんが、好きなように過ごしてもらう選択もありだと思います。
無理にトイレを覚えさせようと飼主がイライラしてしまうと、それがハムスターに伝わってストレスとなってしまいます。
覚えて欲しい気持ちはわかりますが、あまり神経質にならないようにしてあげてください。
オシッコを吸収してくれるものが無いところでしてしまうと、尻尾やお尻がオシッコで濡れてしまいます。
そのままオシッコの上にドスンと座って、頬袋から食べ物を取り出して食べていたりする子もいて、お尻が濡れた状態になってしまうのです。
気付いたときは乾いたタオルや、キッチンペーパーなどで拭きとってあげましょう。
毎回拭き取るのは不可能に近いので、トイレを使わない子は、お尻からしっぽにかけて色素沈着で黄色っぽくなりがちです。
オシッコをどこでしているのかをよく確かめて、こまめにお掃除をしてあげるようにしてください。
ウェットテイル
ハムスターにはウェットテイルと呼ばれる病気があります。
正式名称は「増殖性回腸炎(ぞうしょくせいかいちょうえん)」といいます。
状態としては、そのまま「尻尾が濡れている」という事になりますが、お尻が濡れてしまっているほどの酷い下痢の事を指します。
臭いもかなり強いものとなります。
人間は下痢を起こしても、数日で回復しますが、ハムスターがウェットテイルになった場合はとても深刻です。
発症してから数日で命を落としてしまったという例も沢山あります。
特に免疫力も低い子供のハムスターがなりやすいとされています。
原因となるのは細菌ですが、環境の変化でも引き起こしやすいので、お迎えしたばかりの子ハムは環境に馴れさせるために、しばらくはそっとしておくというのは、こういう面からでもあります。
ウェットテイルは飼主が治せるものではありません。
大至急、病院に連れて行かないと手遅れになることもあります。
特にお尻が汚れているわけではなくても、下痢(軟便)をしているのであれば、すぐに病院で診てもらうようにしてください。
その際には、検便用に便を持っていきましょう。
便はラップに包み、獣医に渡してください。
ハムスターは食欲が低下し、体温も低くなりやすいので、出来るだけ温かくして連れて行きましょう。
腸炎や膀胱炎
腸炎というのは犬猫にもありますが、ハムスターにもあります。
原因はトリコモナス・ジアルジアといった寄生虫です。
ハムスターは食糞といって、便を栄養として食べることがあります。
子ハム時代は、多頭で過ごしますので、その子自身に菌はもともといなくても、他の子の糞を食べてしまった場合、そこから感染したりします。
ですから、安易に他の動物や、ハムスターと遊ばせたりするのはお勧めできない理由の一つでもあります。
実際に、我が家でも寄生虫に感染してしまったハムスターが、自分の糞を食べてしまい、治療をしても寄生虫が体の中をループしてしまう事がありました。
こまめに掃除をしたり、出来るだけ水分の多いものは与えないようにするなど、試行錯誤しました。
通院は1年半続きましたが、完治することが出来ました。
通院費もかなりかかりましたし、掃除の手間などもかかりました。
治らずに生涯寄生虫と闘う子もいるかと思います。
ですから、個体価格が安いからと安易にお迎えをするのはよくありません。
こういうことを知ったうえで、もし、こういうことになっても最後までお世話をすると覚悟してお迎えして欲しいと思います。
不衛生な環境から細菌感染して、膀胱炎になってしまうハムスターもいます。
症状は
・血尿(オレンジ色の時もあり)
・尿の量が多い
・オシッコが出にくい
・常に陰部が濡れている
・食欲不振からの体重減少
があげられます。
特に高齢のハムスターに見られる病気で、膀胱炎の他にも病気が隠れていることがあります。
こちらも個人で治せるような病気ではありませんので、病院で診てもらってください。
老化は仕方がないことではありますが、こういう病気を防ぐためにも、ケージの中は清潔に保てるように心がけましょう。
メスに見られるお尻のトラブル
ここの項目ではメスに焦点を当ててみていきましょう。
メスは子供を産めるように子宮があります。
下痢をしているわけでもなく、トイレが原因でもない場合は、子宮の病気が考えられます。
子宮の病気
子宮の病気でなりやすいのは、子宮内膜炎(しきゅうないまくえん)や子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)です。
どちらも高齢のメスが発症しやすいです。
原因としては細菌がなんらかの形で子宮に入ってしまい、そこから炎症を起こしてしまいます。
高齢になってくると免疫力が低下してきますから、それが原因になってしまう事もあります。
予防方法はあまりないのですが、やはり細菌感染を防ぐにはケージ内を清潔に保つことが一番だと思います。
そして、普段から正しい食生活を送れるようにし、ストレスをかけないよう、お世話をしましょう。
どんな病気にも言えることではありますけれどもね。
症状は、お尻が大きくなってくる、生殖器からの出血、生殖器やお尻周りの脱毛などがあります。
我が家のハムスターも子宮蓄膿症を患いました。
1歳半を越えたあたりの時に、こんなにこの子はお尻が大きかったかな?と思いましたが、本人は普段と変わらない生活を送っておりましたので、あまり気にしませんでした。
今更後悔しても遅いのですが、少しでも私が経験したことが、どなたかのヒントにでもなれば幸いと思います。
2歳を迎える少し前、生殖器から出血し、慌てて病院に連れて行きました。
上半身は細くなっているのに、下半身は大きくなってしまいました。
画像はその子です。
出血は、あったりなかったり、少ない日もあれば多い日もありました。
お腹が大きくなってしまったことで、自分で毛づくろい出来る範囲が狭くなり、出血によりウンチが肛門にこびりついてしまうこともありました。
濡らした綿棒で、優しくなぞって取ってあげていました。
そのままにしておくと、そこからまた細菌が入って別の病気になってしまう事が考えられました。
寝ていることも多くなり、ケージ内はバリアフリーにし、床材もキッチンペーパーや紙の素材の物にしたりしました。
手術をして子宮を取ることも出来るそうですが、高齢のため我が家ではリスクを考えてしませんでした。
2歳3か月で亡くなりましたが、それが病気だったからなのか、寿命だったのかはわかりかねます。
子宮の病気は治るのかもわからないところではありますし、手術のリスクもあります。
どのようにするかも、飼主さんの判断になりますが、見捨てることの無いように、最後までお世話をすることが一番です。
流産
ハムスターは安産とされています。
多くはありませんが、やはり流産や死産もあります。
無事に出産した時も出血は少なからずみられるものではありますが、妊娠が確実なのに、胎児が見られず、生殖器やお尻が出血や膿で汚れていたらすぐに病院へ連れてきましょう。
原因としては、妊娠期間中に強いストレスがかかってしまったこと、栄養失調、生殖器に疾患があったなどが考えられます。
生殖器の疾患は生まれつきの場合もありますが、ストレスは飼主のかまいすぎ、栄養失調も明らかに飼主が栄養を考えた食事を与えなかったことにあるでしょう。
ハムスターに相当な負担がかかっていますから、放っておかずに病院でどういう状態なのかすぐに診てもらいましょう。
オスに見られるお尻のトラブル
オスにもオス特有のトラブルがあります。
特にシリアンハムスターは睾丸が大きく、床材に擦れて傷ついてしまう子もいます。
傷が付くと、出血するだけでなくそこから細菌が入ってしまい、化膿することもあります。
擦れてしまった場合は床材の材質を変えるなどして対応してあげましょう。
精巣炎
原因は不衛生な環境からの細菌感染、高齢、ホルモンバランスの乱れなどが多く考えられています。
症状としては、お尻が大きくなった(睾丸が腫れている)、左右の睾丸の大きさが違う、元気・食欲がないなどがあげられます。
睾丸の痛みで動きが制限されてしまったり、食欲が低下してしまったりします。
人間も、どこかに激しい痛みがあると動きにくくなりますよね。
普段から睾丸の状態を、見て認識しておくことは、病気を早期に見抜くためにも、とても重要です。
痛みで動けなくなってくると、餌の場所までの移動も出来なくなってきますし、トイレにも行けなくなってきます。
餌が食べられなければ、飼主さんが食べさせてあげなければなりません。
食事の内容も考えて行かなくてはならないでしょう。
トイレもその場ですることとなりますから、掃除は当然の事、お尻を拭くなど、介護状態となり、本当にお世話が大変になってきます。
早めに対応していくようにしましょう。
精巣炎は服薬治療で治ることも多いため、難しい治療ではありません。
ただし高齢になり再発することもあります。
人間と同じように、どんな病気でも早期発見が大切ですね。
精巣腫瘍
ハムスターは腫瘍が出来やすい動物とされています。
腫瘍が出来やすい箇所というのも無く、色々なところに出来てしまいます。
精巣炎が長引くと、腫瘍に変化することがあります。
原因としては、遺伝性の場合も多くあるとのことで、衛生面で注意してお世話していても遺伝子レベルの話になるとどうしようもありません。
病院に連れて行き、精巣腫瘍と診断されたら、普段のお世話から出来ることは、どういうことなのかをよく獣医と話し合ってください。
例え、残り少ない命ですと言われたとしても、最後まで、お見送りするまでが飼い主としての役目ですから、見捨てることなく最後のその時までお世話してくださいね。
汚れてしまった場合のお手入れ方法
ハムスターはお風呂に入れることは出来ないし、水にぬらすことも出来ないし、お尻が汚れてしまったらどうしたらいいのでしょう?
汚れ具合別にみていくことにしましょう。
軽い汚れなら綿棒
少しの出血で、その血が固まっていない。
うんちが少しくっついている、ほんの少し濡れているなどの場合は、綿棒が便利です。
血が固まっていない程度であれば、乾いた綿棒で血をぬぐい拭き取るように、綿棒をくるくると回して取ってあげてください。
もし、少し血が固まっている程度の場合は、綿棒を水に濡らし、血のかたまりをほぐしていくように優しく撫でてください。
外傷などの場合は、動物病院から消毒液を処方してもらい、綿棒に付けて拭いてあげましょう。
その後は、乾いた綿棒やタオルで水分を取り、ケージに戻してあげてください。
うまく汚れた取れず、少し時間がかかってしまう場合、長時間ハムスターを保定していては、ストレスとなります。
少し拭いたら休ませるという感じで、丁寧かつストレスをあまり与えないようにしてあげてください。
綿棒は100円ショップなどで安く販売されているものでかまいませんから、すぐに取り出せるようなところに用意しておくことをお勧めします。
かたく絞ったタオルを使う
汚れが広範囲であったり、少し毛が固まってしまっているような場合は、タオルをかたく絞って拭いてあげてください。
タオルを濡らす際にはぬるま湯で、熱すぎたり、冷たすぎるのは避けることです。
濡らしたタオルもすぐに冷えてしまいますので、室温は少し高めにし、ハムスターの体が冷えてしまわないようにしましょう。
いつまでも拭いていると、体温を奪う事にもなりますから、手早く拭くようにして下さい。
綺麗になったら毛がフワフワになるまで、乾いたタオルで水分を十分に取り、拭いてあげましょう。
使用するタオルは、吸水性に優れた、速乾性のあるタオルだと肌触りが柔らかくて気持ちよく、ハムスターも自分が今どこにいるのかを、確認するため少しの間、大人しくしてくれます。
ハムスター専用のタオルを数枚用意しておくと良いですね。
決してドライヤーなど使わないでくださいね。
低温やけどなど、ケガにつながる恐れがあります。
嫌がる場合は無理はさせないで
あまり汚れがひどい場合は、綺麗にしてあげたいのは、飼主としての気持ちなのですが、闘病中のハムスターに更にストレスを与えてしまうのも良いとは言えません。
線引きが難しいところではありますが、嫌がるようであれば、大きな汚れだけ取り、細かい汚れはまた時間を置くなどして、出来るだけ負担をかけないようにしてあげてください。
酷い汚れの時は、力が入りやすいので、ギュッと握ってしまわないように注意しましょう。
まとめ
ハムスターのお尻の汚れにも色々なことがあるのがお判りいただけたかと思います。
これが全ての症状ではありませんし、自己判断は感心しません。
異常を見つけたら出来るだけ早いうちに、病院に連れて行ってみてもらうのが一番良いです。
なにもしてあげられなかったと後悔するのは悲しすぎますが、
なにもしないで自然に任せるという選択も否定はしません。
ただ、病気になったから棄てる、病気で汚らしいから触りたくないなどと思うくらいならば最初から飼わないで欲しいと声を大にしてお伝えしたいことです。
自分だって、病気になって、家族に見放されたら悲しいですよね。
同じように、ハムスターにも悲しい思いをさせないようにしてあげてくださいね。